【日記】適正価格がほしい

 あるライターさんの有料メルマガの購読を始めた。月800円前後で1年契約、計10000円程度。

 安いと取るか高いと見るかは内容次第、なので早速届いたメルマガを精読した。今のところ、完全に「アタリ」。自分が思っていたことを、遥かに深く幅広い知見から考察しておられる。続けて購読し、提示されたテーマをこなしていくことで、自分の知識も確実に深まると実感できた。

 とはいえ、メルマガにカネを払う行為は、かなり異色だと思う。melma!なども無料だし、そもそもメルマガ自体が流行してない。ブログもmixiも一段落、twitterに人が流れ始めているけど、総じてネットは無料だ。誰でも気軽に書け、読める。その結果、専門家が専門タームを使わずわかりやすく書いた、クオリティの高い記事も読める状況になった。つまり、クオリティの差が価格に反映されなくなった。

 しかし、対価を支払われるべきコンテンツというのは確実に存在する。何もかも0円で良い、というのは受け手のエゴで、文化を破壊する行為。適正価格は定められる必要がある、と思っている。まあ、新聞社一斉に無料閲覧記事を引き上げるとかやると、反トラスト法とかに引っかかると思うのだけど。

 僕自身もネットの無料文化に大きな恩恵を得ているし、大きな態度はできない。「しょぼいコンテンツに金を払えるか」的な言動をしたこともある。しかし、現実には「しょぼい」コンテンツは見ずにスルーし、見るのは価値を認めたものだけだ。

 それらのコンテンツには、「これならお金を払っても良いな」と思うものもある。だが現状、PCではきちんと金を支払うところまでいっていない。クレカ入力フォームを載せると、1ページごとに客は10分の1に減るという。

 そこの仕組みを突破できれば、つまりPCのマネタイズという問題がうまくいきさえすれば、専門知識を持った腕こきのライター・編集者が死なずに済み、「有益な情報を供給すれば、一定の富を得られる」という風になるよな、と思う。

 有料メルマガは、イレギュラーな方法論で、他人には真似できない。しかし、「その人固有の情報」に価値がある場合、ネット上に流失させないでマネタイズする方法はあるし、ブログなんて書かないほうが得策な場合もあるんだろうと思う。